スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

やみやみ②


やみやみ

やみやみ

やみやみ

きょう、ひるねしてたら、すっごいわるいゆめみたお(^ω^)

ゆめでよかった、けど、これがげんじつだったら、しねるお(^ω^)

げんじつのものとなる、かのうせいだって、なきにしもあらず、だお(^ω^)

やみやみ

やみやみ






暖かい光を放つ暖炉の火を見つめながら、僕はその悲鳴を聞きました。
二階の一番右奥の部屋から響いてくるその声は、もうすっかり聞きなれたものだったので、
もう二回、三回目の悲鳴が聞こえたら様子を見に行こう。
そう決めて、もうしばらくゆったりしようと安楽椅子に深く腰掛けなおしました。
目を瞑り、僕がゆっくりと暖炉の火に焼かれていく想像をして悦に浸っていると、悲鳴が聞こえました。
二回目の悲鳴です。
嗚呼、このペースだとすぐにこの居心地のいい場所から立ち去らなければならなくなるだろう。
そう思いましたが、わずかに残った可能性にすがって火を見つめ続けました。
やはり、指先から溶けていくのだろうか。
焦げてしまうのは美しくない。
一瞬で無くなってしまうのも、やはり風情に欠けるし。
あの柔らかな炎に舐められるように燃されたい―
そう考えたところで三回目の悲鳴が聞こえました。
深く溜息をつき、それが炎を揺らすのを見ました。

「姉さん」

中央のベッドに横たわる女性に声をかけました。
この部屋に入るときは必ず声をかけるようにしているのですが、今まで意味のある返答を得られたことはありません。

「姉さん」

ぼろぼろと涙を流して喚いている女性のそばに腰掛け、ゆっくりとその目を塞ぎました。
女性は悲鳴を上げます。
でも僕は手を離しません。
そのまま、囁きます。
内容は何でもいいのです。
ロバになった王様の話をしたこともありますし、ミルクとコーヒーで満たされたコーヒーカップの旅の話、
『か』の項がすべてこそげ落ちた辞典の苦悩だとか、逆に回転する時計の国の話をしたこともあります。
今日は炎に焼かれて腕をなくした人間の話をしました。

昔々、魔法使いと呼ばれた男の人がいました。
魔法使いは魔法を使って色々なものを生み出しました。
例えば蝶の羽根が生えた蓑虫、真っ白な烏、虎の牙を持った蛇、植物の特性を持った動物、またはその逆…
魔法使いの魔法はそれはそれは立派なもので、人々はそれを称えたのです。
しかしある日、男は翼の生えた人間を作ってしまいました。
それは父の怒りに触れ、男は天から降った父の怒りで亡くなってしまいました。
そして翼の生えた人間は人々に羽根を焼かれ、腕を失ってしまったのです―

そう話したときの女性の暴れようといったら、まるで嵐に嬲られた柳の枝のようでした。
折れる、その危険性を考え、女性を小さく縮こませ、ぎゅっと力を入れて抱きしめました。
女性は荒い息を吐きながら僕の肩を噛んでいます。

「姉さん」

僕は心の中でごめんと何度も呟きながら、何故女性を傷つけてしまったのだろうかと考えていました。
しかし僕はこの女性ではないのでそんなことは分からない、と早々に思考を切り上げ、女性を落ち着かせることに集中しました。
もう今日はこの状態から抜け出せないでしょう。
仕方が無いですが、この女性の体温は僕の体温よりもずっと熱くて、
まるで火を抱いているような感覚で気持ちいいのです。
嗚呼、この女性は僕を焼いてくれないだろうか。
そう願って強く強く抱きしめました。

「姉さん」

スポンサーサイト

Comment

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

http://my13al.blog67.fc2.com/tb.php/66-f40ed665

«  | HOME |  »

プロフィール

mike

Author:mike
見えない敵と戦う


最近の記事


最近のコメント


最近のトラックバック


月別アーカイブ


カテゴリー


ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


ブログ内検索


RSSフィード


リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。